現在 46PPアンプの改造作成を考慮中です.。
46は4極管構造ですが浅野勇氏によると第2グリッドをプレートに接続することにより45に似た音色が
得られる球とのことです。
6N7をフェイズインバーターとしたアンプは作成しましたが、
球の基本的な音は端正で素質の良い球だと思います。
また、価格も安く、現在でも十分手に入る球です。
初段37 パワー管トランスドライブ結合 46PPの予定です。
シャーシ作成から加工、塗装、配線。ドライバーによる音色差など紹介できればと思います。

NU46 と GE46
RCA45
46PPトランス結合作成日記
そろそろ、周りの雪も消えだし、シャーシ加工もできそうなので46PPを作る計画を立てています。

1)構想
  特別なパーツを使わず在庫のある部品を使って回路としては
  初段37 RC結合 6F6・6K6・6L6・6V6系(三結) タムラ A-342(5K) 46PP タムラ F-485(8K)
  標準回路で試そうと思います。
  測定器はテスター程度しかないので無NFBで、あとは耳で(?)調整するしかありません。
  音作りは、ドライバー管、カップリングコン、A-342の二次側のターミネート抵抗を換えることで
  JAZZ再生を目的にしたアンプにしたいと思っています。

2)デザイン
  在庫しているアルミ版の大きさよりデザインを決めます。視感的な部分がかなり入るので実際に
  パーツを配置してみて決めました。天板サイズ 280X400X50
  個人的には幅を250以下にしたいのですが、トランス結合PPでは難しい気がしますのでこの
  大きさになる予定です。
シャーシは以前の会社で部品としてかなりカットして
おいたので割合に好きな大きさが選べます。
材質はSLシリーズなどと違いジュラルミン3MM厚なので
ねじ式のシャーシパンチなどでは辛く、加工は大変ですが
かなりの重量をかけても曲がらず切り口も綺麗です。
フレームを組み立て天板で押さえる構造です。
いろいろ並べてみて信号の流れ、視感上
からこの配置に決めました。
本来は、ドライバー管はG管(46)を使いたいのですがスペース的に苦しいのでGT管の
予定です。
電源トランス タンゴ MS-160
チョークトランス タンゴ MS-15-150D
出力トランス タムラ  F-485 (8K)
ドライバートランス タムラ A-342 (5K)
3)シャーシ加工
 シャーシ枠組みをして、テープなどで固定し、
 ボール盤で固定ねじ位置の穴をあけ、タップで
 枠にねじ切りをします。(シャーシ完成)
 方眼紙の表面に穴あけ図面両面テープで
 シャーシに貼り付け、パンチで案内をつけます。
 方眼紙をはずしボール盤、多段ドリル、
 ホールソー、ジグソーを用いて穴あけを
 していきます。(工具の紹介)
シャーシの上に穴あけ図面の方眼紙を載せ
パンチで案内をつける。(裏面は実体図に使う)
穴あけが終わり、実際に穴が問題ないか
パーツを並べて確かめる。
4) シャーシ塗装
 アルミ表面を耐水ペーパー#250程度で
 表面のキズを取り、その後#400程度で
 ならします。
 塗料は汎用の水性のアクリル塗料(車用の
 方が良いかもしれません)で、1度厚めに
 スプレーし、よく乾いたら、表面の異物を軽く
 研磨でとり、仕上げスプレーします。
 本来はアルミにプライマー処理をすればよい
 のですが、個人的にはぶつけさえしなければ
 剥げてきませんので十分だと思います。
GE46
4極管構造
ワンパターンペイント
(トップ部ライトグレー、側面グレー)
1日程度乾かし、その後部品を取り付ける。
(右図)
5)穴あけに使った方眼紙の裏側に
実体図を書き入れる。
部品の大きさ、配線の長さ、アースの取り方など
考慮に入れながら、実体図を描く。
6)配線
線材としては、これまでにいろいろ使いました。
LC-OFCはB電源回路、PC-OCCは初段、グリッド回路、ヒーター、AC部は汎用線等です。
個人的なイメージですがLC-OFCは音がくっきり
する。PC-OCCは端正で、しっとりする。
ベルデンは使いやすいのですが、皮膜がすぐ
溶けてしまいます。
今回は古典管なのでありあわせの線材で
配線します。(実際は、線材がないので)
アースだけは太目のLC-OFCを使いたいのですが、足りるかどうか心配です。
(上京したときに、三栄無線で買ったりしますが、
現在ないのが辛いです)
部品取り付け
ねじはできるだけ皿ねじを
使います。
土日にかけ配線し、何とか完成しました。
ドライバーは6F6GT、整流管は5U4GB
現在、エージング中。(左配線写真)
なかなか上杉さんのようにいきません(笑)
6)動作確認
配線を見直し、整流管をささずにスライダックで徐々に
電圧を上げ、ヒーター電圧を測定します。
その後、B電圧と46のバイアス抵抗にテスターを
つなぎ徐々にAC電圧を上げます
ほぼ予定通りでしたので、その他の電圧も測定。
次に、スピーカーをつなぎハムバランサーの調整です。
今回は2.5Vppなのでほぼセンターで耳をスピーカーにつけるとわずかにハムが聞こえる程度です。
実用上全く問題ありませんでした。

今回の定数・回路図
ただ灯を入れていてももったいないので、
コルトレーンのバラッド、マイ・フェバリット・
シングス、マイルスのリラクシン、1958マイルス
など5枚程度聴いています。夜なので。
感想は後日にしまして、組みあがったままで、
(調整なしで)このよさは46の素性のよさを
感じます。音のバランスがよく、静と動が
よく感じ取れます。
6N7の時は少々高域よりで、低域が心配でしたがしたが、今回はいいです。    (2001.4.19)
7)パーツ交換等による調整
調整個所としては、自分の方法は

 @ドライバー管変更による。
 AA-342のR5,R6の定数変更による。
 Bバイアスコンデンサー交換による。
 C初段カップリングコンデンサーの交換による。
 D整流管交換による各動作点の多少の変更。
 E初段37の動作点の変更による。


今回は色々聴きながら以上の点で調整いたしました。
動作は出力管ともども標準的な動作をしていますので
耐久性は全く問題ないと思います。
2週間ほど聴きこんだ感想

聴いたソースとしては、マイルス全般(50年代より60年中)、コルトレーン初期の頃より62年頃まで、エリック・ドルフィーのFIVE SPOT盤ブッカーとのバトル、バッド・パウエルのBLUE NOTE盤Vol1.4.5、キース・ジャレットの
スタンダーズ、井上陽水GoldBest(CD)等。

物足りた音で、小音量でもバランスがよく、聴き疲れしなく、サ音が自然に聞こえる。
静・動聴き取れ、非常に良い。
満足した、アンプに仕上がったと思います。
ただ欲を言うと
常用としている、811Aイントラ反転と比較する
と、低域の切れ力強さがもう少し欲しい。
(811A Sは100mAなので仕方がないか)
高域がシングルとPPで時に多少わずか差が
出ます。
この辺はタンゴのXEシリーズを使うと違うと
思いますが。

以上感想を述べましたが,、十分実用になる
もので、古典管46の実力を十分感じさせる
アンプだと思います。やはり45の高域を
持っています。
今後の気持ちとして、ドライバーも46にして
みたい気がします。
                 (2001.5.4)
非常にバランスが良かったので
今回は@、B、C、Dで最終結果となりました。

@6V6はやや派手目、6L6WGBは音が前に飛び出しすぎPPのいやなところが出てしまった。
6F6で力強さも出てバランスも良いので決定。

BATOMを銀タンに交換したがバランスが崩れ
ATOMに戻しました。

C高域のきらめきをねらいEROよりASCに交換
したが、高域の力強さが落ちEROに戻しました。

D5U4GB、5R4GY、GZ37、5U4G等試しましたが、
この辺は見た目のバランスでよいと思います。
直熱管のほうが好きですが。5U4GB