田植え煮物
紹介
 昔から、田植えの最後の日を「まんが洗い」といいます。これは、最後の日に苗代をかいて馬鍬の使い終わりになるので、きれいに洗うことからこのことわざができたものです。この日には、田の神に御神酒を上げて今年の豊作を祈り、酒を飲んでお祝いをするというもので、ごちそうにはニシン、凍み大根、昆布、大豆など煮込んだものを食べたそうです。このごちそうが、田植え煮物として田植えの時期になると今でも食卓にあがります。
 手で田植えをしたころ、朝6時ごろに田に入り、8時ごろにはこびり(小昼)(休憩のこと)になりこの田植え煮物が登場します。その家その家の味付けがあり、地域によっては、材料にしいたけやこんにゃくなどが入るものもあります。忘れてはいけない田植え煮物とセットのこびりは、きな粉と刻みシソ、ゴマ等のついた大きなおむすびです。朝早くから、水の冷たい田植えをした人にとっては何よりもおいしいこびり料理です。
 この田植え煮物は、味を濃くして煮物に、また、味を薄めにすると汁としても召し上がることができます
 木島平だけの田植え煮物は、むかしながらの煮物で、ふるさとを感じさせる素朴な料理で、栄養価満点の郷土食といえます。

<材料>
  身欠きニシン
  昆布
  インゲン豆
  ぜんまい
  凍み大根
  しょうゆ
  酒
  みりん
  調理料
  油

半身
30g
100g
200g
100g
50cc
50cc
50cc
小さじ 1
小さじ 1 

<作り方>
@ 凍み大根とぜんまいは水に戻しておく
A ニシンは米のとぎ汁で一晩つけておく
B インゲン豆も一晩つけておく
C 凍み大根は1cm、ニシンは3cmの長さに切る
D なべに油を入れて熱し、凍み大根、ニシンを入れいためる
E Dに水を入れてインゲン豆を入れて煮る
F ある程度材料がやわらかくなったらぜんまいをいれ、しょうゆ、酒、みりんを入れ調味料を加えて煮込む
G 時々かき混ぜながら味をみて、好みの味付けをして火を止める。15分から20分ぐらいしてから盛り付けをすると味がなじんでおいしくいただくことができる

*凍み大根の作り方*
1月の終わり頃になったら、雪の中から新鮮な大根を掘り出し、20cm位の長さに切り、皮をむく。なべに大根を入れゆでる。
はしが通るくらい柔らかくなったら上げ、穴をあけて紐を通して軒下につるす。2月の大寒に干すのがポイントで、カラカラに乾いたら保存する。(冷蔵庫に入れておくと長持ちする)