9R-59、9R-59D、9R-59DS等含めますと7〜8台をオークションで購入し、修理しましたが
多い故障個所、修理方法などを自分なりに載せてあります。

TRIO 管球受信機 9R59D について

1.まず購入して、見るところは、メーカー組み立て品か、キット品か、いじってあるかどうかです。
  いじってなければB+にテスターをあて電源を入れます。キット品の場合は状況を見て。
  いじってある場合は回路図より確かめます。

2.まず、一般的にはハムがあると思いますが、そのままとして、AF部が働いていることを確認。
  VRをまわして音が大きくなればいいのでは。(OPTはOK)
  6AQ5のG1の電圧を測り、数ボルト出ていたら、カップリングコン(C34)交換した方がいいでしょう。

3.AMにて、MWの受信を確認すれば大体は修復可能だと思います。

4.T.Oで455KHzの信号を入れIFT、メカフィルの調整です。Sメータが最も振れる点で調整。

5.あとはマニュアルとおり、各バンドでのトラッキング調整。
  

プロダクト検波、AF部基盤

ここでの交換部品は、6AQ8(シールドケース)右隣のコンデンサー、RightConとかnichiconが使われていますが、ここがやられている場合は、SSBのAF入力部のコンデンサーも交換します。SSBの復調時、コンデンサーには高圧がかかります。
チューブラーの高圧電解コンデンサーは、ELNAが使われていますが160V耐圧なのでたいていは交換します。(基盤奥の3つの紺色のコンデンサー)
6AQ5等のカソードの電解コンもついでに。
AGCの回路には、松下のオイルコンが使われていますが、ここはあまり劣化してないようです。

IF部基盤

IF部での交換部品はあまりありませんが、メータの振れがおかしいときは、R10,R11を測定してみます。あとは、後部のVR。
一般にセラミックコンデンサーは、劣化は少ないです。
メカフィルは、使っているうちに徐々に安定してきます。

電源部およびコイル部

トラッキング調整ができないときは、コイルパックより出ているマイカコン(写真奥、キャラメル形状)を測定してみます。
Aバンドは、パティングコンです。測定してもまれに、容量どおりがありますが、調整が安定しないときは、ディップマイカ等のコンデンサーに交換します。
1/3ぐらいは、ここがおかしいです。
電源部ですが、ほぼ大体が、ハムが大きいと感じます。新品は、当然聴いたことがありませんが。
はじめは、ELNAのブロック電解コンデンサーを疑い交換していますが、測定してみると、あまり容量抜けはありません。個人的には、回路がよくないと思います。
個人的には、定電圧放電管を使うのであれば、局発部にいく、電源のコンデンサーを使い、AF部関係のB電源を3段にしたほうがよいと思います。
この辺は、自分が我慢できる程度のハムに抑えます。
ダイオード関係は、そのまま、並列のコンデンサーははずしたほうがいいと思います。(コンデンサーの不良でおかしいときがありました)

バリコンおよびBFOピッチ部、マーカー部

SSBの復調において、調整してもよくならないときは、BFOコイルの中のスチコンを交換します。不良まではいかないのですが、不安定なときがあります。
あとは、急におかしくなるときは、タイトバリコンの接触不良を疑います。
よく接点部には、接点復活剤を使う人が多いと思いますが、個人的には、洗浄剤のほうがよいと思います。
マーカーがあると、定期的に、周波数ずれがそれなりに点検できます。

9R59Dの回路図(よく見えませんが)

あと、感じるところは、ダイアル関係のばねが強すぎる。この辺は、軸注油も含めて、ばね、糸も交換してしまいます。

★ 購入時の注意点

まずあまりいじってないことが第一です。くるくる、持ち主が変わると、結構不具合が多い点があります。
昔の人はいじれる人が多かったので、結構いじってあります。
裏を見たときの、配線状態。ひどいものは、バンド切り替えの、接点不良でいじってあるものがありました。
これは苦労しました。
あとは、プリント基板なので、あまりいじってありますと、銅箔が離れているものもあります。
メカフィルも切れていることも考えられます。
大当たり品は、・・・・・・・の状態で購入できたものがよいです。
非常に状態のいいものは、8万9万の世界です。また、以前、新品箱入りが30万程度で取引されていました。やはり、1万後半位で仕入れ自分のものにリストアするのが面白いのではないでしょうか。